不況の救世主!? サイトを使った集客方法とは
記憶に新しいリーマンブラザーズの破綻を含め、米金融危機に端を発した景気の減速は欧州など各国の経済へと広がっている。サブプライムローンへの関わりが比較的少ないとされる日本国内でも、景気の先行きに強い警戒感を示した記事やニュースが多数見受けられる。 帝国データバンクによると2008年度上期(4〜9月)の倒産企業件数は6,343件と、3年連続で前年同期比を上回り、上半期としては戦後2番目の多さとなった。(※1) こうした厳しい市場環境の中、消費控えは加速し、実態経済に与える悪影響への危惧は消えることがない。打撃を受けている業界は枚挙にいとまがないが、特に国内百貨店市場では厳しい局面をむかえている。日本百貨店協会の2008年10月全国百貨店売上高概況によると売上高は約5,845億円(前年比6.8%減)と8か月連続の減少となり売上減の状況が続いている。(※2) 一方で、EC(電子取引)市場は順調に売り上げを伸ばしている。経済産業省が2008年8月に発表した「平成19年度我が国の IT 利活用に関する調査研究」によると、07年度の消費者向け EC サイトの市場規模は5.3兆円となり前年度比21.7%の増加となった。企業間 EC サイトの市場規模は162兆円となり前年度比9.3%の伸びとなっている。(※3) 当然 EC サイトだからといって何もしないで簡単に売上げが上がる訳ではない。そもそもネット販売に商材が適しているか否か前段階としてあるが、売上げを伸ばすのであれば常にサイトの更新を行い、コメントに関しても気を配らなければいけない。 また、商品検索機能、カート機能、マイページ機能、ニュース表示、お問合せなどのフロント機能などユーザビリティの側面も心がける必要がある。さらに、受注管理、商品管理、顧客管理、問合せ管理などのバックエンド機能も大切だ。 しかしながらいくら使い勝手のよい、ユーザビリティに優れたサイトができたとしても自社サイトまでユーザーを誘導できなければ意味がない。そのためには、ネット上またはネット上以外にも広告を出稿し、特定の検索キーワードで上位表示を行なうための SEO 対策や P4P 対策が非常に重要なウエイトを占めてくる。 インターネット白書2008によれば現在ネットユーザーの約7割が検索サービスを利用しておりまたその中でも約4割のユーザーが1日に5回以上の検索を行っている。 その膨大な検索の中から自社サイトまで誘導するのにどのキーワードを選択するか、商品との整合性、キーワードの検索ボリュームなどを考慮し、慎重に選んだキーワードでの上位表示が実現できれば、優良なユーザーを集客することが可能となる。 景気減速または物価上昇の局面に追い込まれ、賢く経済的に買い物をしなければいけない消費者にとっても EC サイトは非常に強い味方になるのではないだろうか。ネット上では物理的な距離も存在せず複数の商品を容易に比較することができる。 景気の減速と騒がれている今、EC サイトは企業にとっても消費者にとっても強い味方となるのでははいだろうか。 ヤナセは、メルセデスベンツ認定中古車「メルセデス・ベンツ・サーティファイドカー」専用のインターネット検索サイトを開設し、9日から運営を開始した。 ヤナセ・メルセデスベンツ認定中古車サイトには、ヤナセとヤナセネットワークディーラーが運営するメルセデスベンツ車の認定中古車拠点「メルセデス・ベンツ・サーティファイドカーセンター」と、メルセデスベンツ新車専売拠点に併設される認定中古車展示場「メルセデス・ベンツ・サーティファイドカーコーナー」で取り扱う、認定中古車400台以上を掲載する。 メルセデスベンツ日本が定める基準を満たしたメルセデスベンツ認定中古車の幅広いラインアップを取り揃える。 中古車購入検討者の約7割が、来店前にインターネットで車両検索するといわれている。従来から運営しているヤナセ認定中古車検索サイト「ブランドスクエア.com」でも受注の3割はインターネット経由による。   ヤナセは今回、メルセデスベンツ認定中古車サイトを開設することで、メルセデスベンツ・サーティファイドカーセンター/コーナー各拠点への集客力を高めて販売活動をサポートし、メルセデスベンツ認定中古車の拡販を目指す。 Web サイトのリニューアルを行った結果、検索エンジンからの集客数が大幅に落ちた、という経験をお持ちの方はいないだろうか。リニューアルは、検索エンジンからの集客力を大きく上げる場合も下げる場合もある。例として、ある企業の Web 戦略と SEO について紹介したい。 ●あるメーカーサイトの実例 今回紹介する企業は、ある日本の家電メーカーである。この企業は、使い分けていた2つのブランド名を1つに統一するというブランド戦略の転換を行った。それに伴い、Web サイトでも2つのドメインから1つのドメインに統一するというリニューアルも実施された。 このドメインの統合は、高いレベルのユーザビリティ上の配慮が行われ、訪問したユーザーが混乱しないようにされている。しかし、SEO の観点ではいくつかの問題点があった。その結果、同社は検索結果から見つかりづらい状態になってしまった。 図は、「エアコン」「テレビ」など家電に関わる100ワードで、どれだけ同社のサイトが検索エンジンから見つかりやすくなっているかを示すための指標「ファインダビリティ(Findability)」(※1)スコアの過去半年の推移である。 縦軸がファインダビリティスコアのシェア率、横軸が時間の経過となっている。赤と青は、展開している2つのドメインを別に集計したもの、紫はこの2つを統合して集計したものである。 ドメインの統合を行った当月段階で、使用を中止した青色のドメインでのファインダビリティが急激に下がり、統合された赤色のドメインでは急激に上昇している。 この動きは当然と言えるが、問題は紫色の線、同社の2ドメインのうち良い順位を集計したスコアである。この数値が、その企業の Web サイトが検索エンジンから見つかりやすくなっているかを明確に示すものと考えられるが、10月段階でファインダビリティスコアが落ちている。つまり、2ドメインを統合したことで、検索エンジン経由での集客を行いづらくなったのである。 Web サイトのドメインを2ドメインから1ドメインに統合することはよくあることだろう。この時、検索エンジンからの見つかりやすさを「1+1=2」にすることは容易である。しかし、上記の例では「1+1=1.5」になっていると言える。 この原因は、SEO を考えずにドメイン統合を行ったことにある。理由としてはいくつかあるものの、最大のものは使用しなくなったドメインから使用するドメインへのリダイレクトが、JavaScript によるものであり、ユーザーが使用するブラウザに認識できても検索エンジンが認識しづらいものだったことである。 ユーザーの利用については配慮されたドメイン統合であっても、検索エンジンには認識しづらいものだったため、今回の結果になったと考えられる。もしも、このドメイン統合が検索エンジンにも配慮したものだった場合、企業全体としての検索エンジンからの集客力が落ちることはなかっただろう。 また、最大限 SEO を考慮したブランド統合を行った場合には、1+1を2ではなく、3かそれ以上に上げることもできたはずだ。しかし今回の例では、積み上げてきた検索エンジンからの評価を新ドメインに統合することができずに、価値の多くを捨ててしまうことになっているのである。 ●大規模なサイト改変と SEO サイトの統合や、一部コンテンツの別サイト化などのリニューアルは、デザイン性やユーザビリティの大幅な改善を行う機会となるが、少しのことから SEO 観点でマイナスとなってしまう場合がある。また、デザインに影響をおよぼさない少しの修正だけで SEO 観点で大きなプラスとなるポイントもある。 Google は、「ウェブマスター向けのガイドライン」としてウェブマスター向けに様々な情報を提供しているが、その中に SEO について説明を行ったページ(※2)がある。 11月22日現在の記述によると、「SEO の利用を検討している場合は早い段階での利用すべき」としている。これは、どのような時にでも早急に SEO を行うべき、ということではなく、Web サイト構築の初期から SEO 観点で注意を払うことを推奨する内容となる。 今回紹介した実例においても、初期段階で SEO の検討が行われていたならば、検索エンジンからの集客力を失うことにはならなかっただろう。もちろん、初期でなくとも改善を行うことは可能ではあるが、初期に行った場合に比べてより大きなコストが掛かることになる。 企業活動における Web サイトの重要性が増加し続ける昨今、展開する Web サイトに大規模なリニューアルを行う機会も多くなった。リニューアルは、ユーザー目線で行うことはもちろんのことであるが、SEO を取り入れたリニューアルを行うことで、真に効果を高めるリニューアルになることだろう。 Web サイトの大幅な修正、リニューアルを行う際には、SEO 観点での問題解決と価値向上を初期より検討することををお勧めしたい。